スーパーでも簡単に手に入る、一般的に慣れ親しまれた食材「玉ねぎ」ですが、海外では、食材としてだけではない使われ方もしていた、とても長い歴史があります。
対し、日本での歴史は意外と短いながら、そこにまた特徴ある歴史が詰まっており、ちょっとした“ヒストリー”としても興味深いものが隠されています。

海外では“スタミナ食”と“魔除け”の歴史

玉ねぎの歴史は、紀元前からと長く続いています。
原産地は中央アジアを中心とした一帯で、だんだん西方面へと伝わっていき、エジプトでは広く栽培されるようになりました。
滋養強壮に良い食材として知られていたこともあり、ピラミッド建設に携わった数十万の労働者たちのスタミナ源として、ニンニクとともによく食べられていたとも言われています。

現在でも、エジプトはもちろん、原産地の中央アジアやインドなどでは野生種に近い品種の栽培されている地域がありますが、その大元となった野生種は未だ発見されていないとのことです。

また、その利用方法は、意外な方向性にも広がりを見せていました。
ヨーロッパでは、軒先につるすことで魔除けとして効果があるという言われを持っています。
古代エジプトでは、祭事に使われたり、首から下げて魔除けにしたり、棺に入れて死者を送り出したりと、神聖なものとして扱われていたとも言われています。

日本初の歴史は“観賞用”から始まった

江戸時代に海外から長崎へ伝来したのが、日本での始まりになります。
ですが、当初は“観賞用”として伝わったものでした。
“食用”としての栽培は、明治4年にアメリカから持ち込まれた「イエロー・グローブ・ダンバース」という品種に始まり、寒さに強い春蒔きの品種「札幌黄」が誕生しました。

栽培が始まったばかりの頃は、その特徴ある刺激臭や外来の野菜ということもあって、なかなか世間に広がっていきませんでした。
そんな中で、明治初期にコレラ(当時、致死率が高く恐れられていた感染症)が流行り、この際に「玉ねぎがコレラに効くらしい」と噂が広がったことが、“食材”として一般の人々に浸透していくきっかけとなって、現在に至ります。

このように、日本では意外と歴史の浅い玉ねぎですが、今では家庭料理でもよく使わる、すっかり慣れ親しんだ食材となりました。

以上、知ってる?知らない?玉ねぎ歴史ヒストリア…でした。